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IKEUCHI ORGANICが風力発電を選択する理由

2022.12.19

目次

IKEUCHI ORGANICでは、『グリーン電力証書システム』を利用し、使用する使用電力の100%を再生可能エネルギーである風力発電でまかなっています。今治の本社工場にとどまらず、直営店である東京ストア・京都ストアの電力も含まれています。

 

グリーン電力証書システムとは、自然エネルギーにより発電された電気の環境付加価値を、証書発行事業者が第三者認証機関(一般財団法人日本品質保証機構)の認証を得て、『グリーン電力証書』という形で取引する仕組みです。

 

グリーン電力証書を購入する企業が支払う費用は、証書発行事業者を通じて発電設備の維持・拡大などに利用されます。グリーン電力証書の取得により、証書に記載された電力量相当分の自然エネルギーの普及に貢献し、グリーン電力を利用したとみなされるため、地球温暖化防止につながる仕組みとして関心が高まっています。

自社電力を100%風力でまかなう日本初の企業へ

2002年1月1日に、IKEUCHI ORGANIC(当時は池内タオル)は風力発電で自社の電力をまかなうことを決断しました。

 

1999年に企業の環境対策に関する国際規格である『ISO14001』を取得し、環境負荷低減の取り組みに注力するなかで、当時社長であった池内計司(現代表)の頭には「電力をグリーン化したい」という考えがありました。

 

そんな最中、「とあるショールームが100%グリーンパワーで稼働開始」という新聞記事をたまたま目にした池内は、グリーン電力証書システムを発行している日本自然エネルギー株式会社の存在を知り、すぐに問い合わせを送りました。

 

当時の日本自然エネルギー株式会社では、年間100万キロワット単位でしか電力を販売しておらず、主に大企業を顧客にしていました。ただ、IKEUCHI ORGANICのような中小規模の会社にも再生可能エネルギーを広げていきたい想いを抱いており、私たちと契約を締結することとなりました。

 

契約電気量は年間40万キロワット。居並ぶ大企業に比べれば、ほんのわずかな量ですが、当時の私たちが消費する電気総量がこの量なのです。こうして、IKEUCHI ORGANICは自社の使用電力を100%風力でまかなう日本初の企業となりました。

つくり手としての責任を果たしたい

2001年に使用電力を風力に切り替えたことで、当社の電気代は従来より約2割増となりました。さらに、最初に規定の量で契約するわけですから、使った分だけ支払う従量制というわけにはいきません。かなりの固定的な負担になることは、間違いありません。

 

ですが、社長であった池内に迷いは一切ありませんでした。なぜかというと、「環境負荷の低い商品を扱っているから、その会社は環境にやさしい」という考え方がありますが、池内はその考え方に違和感を覚えていたからです。

 

自社が生産活動をおこなうこと自体が環境負荷になっていること。それを理解して、負荷自体の低減に取り組まなければ、本当の意味で「環境に配慮した商品をつくっている」と胸をはって言えません。

 

また、気候変動が原因で世界各地で起こっている農作物の収穫量激減の現象は、オーガニックコットンも無関係ではありません。気候変動の影響を最小限に抑え、安定的にオーガニックコットンを使用したタオルの製造を続けるためにも、つくり手としての責任を果たす必要があります。

 

私たちの取り組みは、国連グローバル・コンパクトに認められた環境ラベルのひとつである『WindMade(ウィンドメイド)』の認証取得をもって、世界に認められました。操業にともなう消費電力の100%を風力発電でまかなう私たちは、電力消費に占める風力発電の割合が25%以上であることを定めるWindMadeの認定基準を余裕をもってクリアしました。

 

私たちがつくるタオルがWindMadeなのではありません。私たちIKEUCHI ORGANICという企業そのものが、WindMadeなのです。

 

イケウチオーガニック

記事を書いた人

イケウチオーガニック

1953年創業、今治タオルの専門店IKEUCHI ORGANICのスタッフが、商品のご紹介や日々の洗濯、お手入れ、メンテンナンス方法などタオルのお役立ち情報のほか、オーガニックコットンの生産現場や今治本社工場での環境に配慮した取り組みなど、ものづくりの背景をコラムでご紹介しています。