宇宙兄弟のコラボ商品で実現したかったこと ~メーカーとして、好きな作品に携わるということ~

宇宙兄弟ブランケット

IKEUCHI ORGANICの広報、牟田(ムッタ)口です。

宇宙兄弟とIKEUCHI ORGANICのコラボ商品、宇宙兄弟32巻記念セットの予約を9月20日20時に開始しましたが、予約開始してほぼ1日で1,666個を完売することができました。これまでの限定版の中で最も早いペースで売れたと聞いて、お客さんに喜んでもらえる商品を作ることができまずはホッとしています。

予約を開始する20日ほど前に、コルク佐渡島さんの講演、宇宙兄弟のファンコミュニティ「コヤチュー部」の事例を聞く機会がありました。宇宙兄弟31巻の事例を聞いてテンションが上がってしまい、前巻を上回る熱狂を作るしかない!と決意して、翌日にコヤチュー部 in 今治を作ると社内で宣言しました。

170927_kci

社員にも宇宙兄弟を読んでもらって感想をホワイトボードに書いてもらい、楽しそうな雰囲気に流されたのか?弊社代表の池内も68歳にして人生で初めてコミックを購入したようです(笑)

宇宙兄弟とのコラボをきっかけに、経営者はもちろん、工場内で働くパートさんまで、コミックを通してちょっとした交流が生まれたと聞いて私自身も嬉しく思いました。
今回は、宇宙兄弟とのコラボに至った経緯とメーカーの立場で、好きな作品に関わることで実現したい事を書こうと思います。

メーカー担当として必要なのは、作品愛

わたくし、牟田(ムッタ)口は約2年半前に色々な出会いときっかけがあって、外資系の企業から、縁もゆかりもない愛媛県今治市のタオル会社・IKEUCHI ORGANICに転職をしました。
大学を卒業してからコンテンツビジネスに15年以上携わっていました。全く関係のない業界のIKEUCHI ORGANICへ入社を決意したときは、これでもうコンテンツビジネスに携わることはないなぁと、一抹の寂しさを覚えたものです。

ただ、タオル製品はキャラクター作品のMD展開では必須のラインナップなのでメーカー側として携わることができるのでは?と思っていました。

ヒントとなるきっかけを与えてくれたのは、宇宙兄弟のコラボより数ヶ月前に商品化をした、「温泉むすめ」という作品とのコラボでした。

弊社営業マンの岡本が、並々ならぬ愛情を捧げていて、自腹でキャラクターの名称でもある温泉地に一人で旅行に行き、わざわざタオルと一緒に写真を撮ったり、温泉ソムリエの資格をとったり(その熱量を他の案件にも生かしなさいw)、自らが「ファン」であることを宣言しながら仕事をすることで、仕事の向き合い方に変化が生まれていたのです。

言われた仕事をそのままするのではなく、「自分で仕事を作る」ことが弊社のような地方の中小企業には特に求められますが、好きな作品のために仕事をしていると、どんどんアイデアが出て動き方が活発になるのを目の当たりにしました。そして普段、お客様と接しない立場の社員が、イベント等でファンと直接交流してダイレクトに反応をもらうことで、ポジティブフィードバックが生まれて「仕事をつくる」姿勢が生まれてきたのです。

コルク佐渡島さんとの偶然の再会からすべてが始まった

「温泉むすめ」は作品としてはまだ多くの人に知られているコンテンツではありませんが、会社としてプロジェクトチームを組んで仕事をしたことが、関わったメンバーは確かな手応えを感じていました。

そんな時に、前職でお世話になったコルクCEOの佐渡島さんと渋谷でバッタリ会いました。
元々宇宙兄弟は、5本の指に入るほど大好きな漫画で、いつかは商品化を自社でしたいとは心のどこかで思っていました。何せ弊社は、社長の阿部が「宇宙にタオルを連れて行く」と宣言している会社です。ただし、普通にロゴを入れるだけでは面白くないし、何より宇宙兄弟をこよなく愛するファンの心を動かすことはできません。

ただ、温泉むすめのタオルで、かなりのクオリティでキャラクターを再現することができたので、他で発売しているプリント入りタオルや、薄いタオルとは比べ物にならない高品質な商品を作れる自信がありました。実際に温泉むすめファンからも、以下のような驚きの声がtwitterで投稿されています。

温泉むすめで好事例を作ることができ、今なら宇宙兄弟ファンにも喜んでもらえる土壌があるのではないかと思い、佐渡島さんに会った翌日にメールをして、宇宙兄弟担当のユヒコさんを紹介していただけることになりました。

打ち合わせの席でユヒコさんは、温泉むすめのサンプルタオルを見て「すごく面白いですね。」と言ってくれたものの、宇宙兄弟で商品化する際はシンプルだけど飽きのこない洗練されたデザインが良いという意見が挙がりました。

タイミングを合わせてまた次回お会いしましょうと話が終盤に差し掛かった頃、弊社カタログを見たユヒコさんが、
「御社ではブランケットもあるんですね!実は、今ちょうど…」と32巻限定版の特典の目玉となる、ブランケットを探すタイミングと重なったのです。
まさかタオルではなく、シャロンブランケットを限定版で製造するとは・・!25巻でムッタがシャロンにサインをしたブランケット…シャロンおばさんが膝にかけている、見るからに気持ちが良さそうな質感のあるブランケットを提案できるなんて、夢のような機会です。
タイミング良く、佐渡島さんに偶然会うことができ、ブランケットを製造するタイミングにぎりぎり間に合ったのは、私からすると、運命でしかありません(笑)。

そこからは驚異的なスピードでサンプルが作られ、打ち合わせの翌週には、ほぼ現物に近い試作版が出来上がっていました。これは僕がシャロンのブランケットを品質も見た目も完璧に再現できるのはIKEUCHI ORGANICしかないと信じていたから、社内でも何度となくいかに宇宙兄弟が素晴らしい作品で、この作品とコラボする意義があるか、そんな事をワーワー言って、うるさい奴だと思われたことも影響しているのかもしれません(笑)。

作品担当者に負けないくらい、その作品を好きになれ!

グッズのモノづくりに関わるにあたって、わたしたちメーカーが貢献できる事は何かずっと考えていました。
エンタメに限らず様々な業界とのコラボレーションのタオルをリサーチした所、多くのケースがただ単にロゴや、キャラクターがプリントされているだけの安易な作りの商品が多くあると感じました。
メーカー側はもちろん、作品の作り手に近い立場の方が、本当にファンが喜ぶ商品を提供したいと思っているのか強く疑問を感じていました。実際にグッズとして買われるタオルは、実際にどれくらい愛着を持って使われているのでしょうか?

それでいうと、宇宙兄弟担当のユヒコさんは最初から「シャロンが使うブランケットは、洗練されていて、高級感のあるモノでなくてはいけない」と漫画の世界観を完璧に再現することにこだわっていました。作品に一番近い立場の編集者からこんなことを言われるのは、宇宙兄弟ファンのメーカー担当としてはこれ以上にない喜びです。

好きな作品の商品であれば、何年も持っていたいものだし、商品を使えば使うほど、その作品のことを好きになってもらいたい、そんな作品の価値を上げるくらいの商品をつくることが、メーカーとして貢献できる唯一のことなのです。

せっかく32巻限定版でIKEUCHI ORGANICがコラボできる機会をいただいたのだから、これまでで一番早くファンに喜ばれる、欲しいと思われる商品にしようということで、モノづくり以外でも、撮影時にちょっとしたこだわりをもって望みました。(多くの方にとってみれば、意味がない行為かもしれませんw)

例えば、今回宇宙兄弟の特設サイトで使われている写真は、弊社が日頃からお世話になっているフォトグラファーさんによるものですが、彼もまた、プロフェッショナル仕事の流儀を貫く人なので、「宇宙兄弟のシーンを完全に再現しよう」とアイデアを色々と出してくれました。
例えば宇宙兄弟特設サイトでブランケットを持っているイメージ写真があります。

シャロンブランケット

これは私がブランケットを手に持ち撮影していますが、ムッタが着ているシャツの色になるべく近いネイビーを着てくるようにとフォトグラファーさんから指定されました。そして撮影でもブランケットが登場しているシーンのコマ割りを置いてみたり、ブランケットを手に持つシーンでは、ムッタは未婚なので、結婚指輪を一時的に外してブランケットの持ち方もムッタと同じになるよう何度も撮り直しをしました。多くの方にとっては関係のない話かもしれませんが、フォトグラファーさんはもちろん、撮影に同席した宇宙兄弟チームも、誰もがシャロンのブランケットを完璧に再現するために時間を注ぎました。
コルクのユヒコさん、小室さんからは以下のような投稿をしていただいて、宇宙兄弟チームを社外から支えることができて嬉しくなりました。

弊社としてやれることは全てできた。だけど、弊社が24時間で1,000個以上モノを売る経験は未知の世界で、ものすごくドキドキしていたのも事実です。結果的には、32巻限定版が一番早いペースで売れたと聞いて、こういった取り組みも決して無駄ではなかったとも思っています。

グッズの概念を変える会社になる

前述した通り、エンタメの作品はもちろん、アーティスト、企業コラボのグッズ商品など、メーカーとして作品づくりに貢献できることがあるとすれば、熱狂的なファンに満足してもらえるような品質の商品を作り、グッズを通して作品をより好きになってもらうことだと考えています。究極は、好きな作品があるから、関連商品を買うのではなく、作品を知らなかった人でも、商品を通してその作品を知り、ファンになってもらうことです。今回もIKEUCHI ORGANICのファンの方には宇宙兄弟コラボ商品を紹介しましたが、1人でも多くの方が宇宙兄弟を知ってもらえると、嬉しく思います。

今回の32巻限定版で一つだけ弊社として実現できなかったこともありました。
シャロンブランケットの企画は宇宙兄弟チームからのアイデアでした。
それはそれで個人的にはちょっとだけ悔しくて、本当のファンであれば、本来はメーカー側から、このシーンのここで使われている商品を、この素材でこんなデザインで作りたいです!と提案できるのが理想の姿です。だから、次に宇宙兄弟のタオル?をつくるときは、弊社から企画を持ち込みたいと思っています。メーカーとコンテンツホルダーの理想の関係は、単にOEMの受発注の関係でなくお互いにアイデアを持ち寄ってファンに愛されるものづくりを協業していくことだと思っています。僕が最終的に実現したいのは、タオルをはじめとしたグッズの概念を変える会社になることです。熱狂的なファンがいる作品であればあるほど、ファンに満足してもらえる商品を作り続けていく会社でありたいです。

最後に少しだけIKEUCH ORGANICの紹介を。IKEUCHI ORGANIC は生産する全ての製品で、 「赤ちゃんが口にしても安全」な国際認証を取得しています。
私たちの創る製品は“食品である” という考えで安全性を見直し、第一歩として本社工場は食品工場の安全基準である ISO-22000を取得しました。
「ISO22000はHACCAPと同じ考え方の延長線上にあるので、食品の基準で作られた繊維製品なら、宇宙へ持っていけるかもしれない。」
とISOの検査官からアドバイスを受け、「宇宙に連れていくタオル」の試作品も作ってしまった、ちょっとだけ変わった会社です。

1704_abe04

これを読まれた方で弊社のものづくりの感が方に興味を持たれた方は、ぜひ一度お会いしましょう。
(文責:広報 牟田口)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です