一番最初に作られたタオルだから。
- TOP
- 私たちについて
- IKEUCHI ORGANICの人
- キャリア40年以上を誇るタオル職人の衰えぬ探究心
Vol.45
キャリア40年以上を誇るタオル職人の衰えぬ探究心
IKEUCHI ORGANICの熟練職人のひとり阿部さん。代表の池内を除くと、一番年長の社員です。長きに渡ってタオルづくりに携わり、数多くの若手職人の指導にも関わってきた阿部さんに、どのような想いで日々の仕事と向き合っているかを語ってもらいました。
生産技術 阿部

様々な経験を経て、IKEUCHI ORGANICへ
今治本社工場にて、製織(せいしょく)担当として働いている阿部です。
学生時代は工業高校に通い、紡織や織機について学びました。卒業後は大阪のセーターの会社に入ったのですが、そこを辞めた時に今治に戻ってきて、タオルの会社に入りました。そこからは、ずっとタオル一筋です。
90年代には中国に行って、タオル工場の立ち上げも経験しました。機械の搬入から据え付けまで何でもやりました。その後は駐在員として、現地のメンバーにタオルの作り方を教えるわけですが、言葉が違うので簡単にはいきません。
日本からのスタッフは少数だったため、製織だろうが、染色だろうが、何にでも対応しなくてはなりませんでした。特に、織機の保全工は自分ひとりだったので、機械に何かトラブルが起きた際には自分が対処しないと工場が止まってしまいます。慌ただしい日々でしたが、今となっては貴重な経験だったと感じています。
その後、当時の勤め先だったタオル会社が全工場を中国に移すという動きがあり、他のタオル会社への転職を考えはじめた矢先に、IKEUCHI ORGANIC(当時は池内タオル)の存在を知りました。IKEUCHI ORGANICに出入りしていた業者さんと前の会社に出入りしてる業者さんが同じ人で、その方が紹介してくれたのです。
タオルの製造において織機(しょっき)の種類は一番重要で、織機が変わるとやり方が全く変わってきます。私がそれまで使っていたのがスルザー(SULZER)という織機だったのですが、池内タオルも同じ織機を採用していたため、これまでの経験が活かせると思ったことが転職の理由として大きいです。
そんな経緯で、私が池内タオルに入社したのは1998年。当時はタオルハンカチが主力商品で、シルクを使った商品も手がけていたりして、現在とはかなり違う姿でした。
自分が若手の頃とは、時代が変わった
タオルの製造の仕事について回るのが、若手への技術指導です。以前の会社も含めると、100名を超える人たちにタオルづくりについて教えてきました。
私が若かった頃は、先輩から技術について手ほどきを受けるようなことは、ほとんどありませんでした。基本的には「見て覚えろ」です。熟練の職人さんがやっていることを盗み見て、同じようにマネてみる。その繰り返しで、一つひとつ覚えていきました。
「仕事を早く覚えて、一人前に早くなりたい」という気持ちもありましたし、「あの人より先に覚えて、上になりたい」という競争心もあったと思います。自分なりに勉強をして、教わっていないことにも手を出して、仕事の幅を少しずつ広げていきました。
でも、最近の若い人たちを見ていると、教わったことがないことに関しては、「教えられていないから」という理由で、自分から動くことはほとんどありません。そういう姿を見ると、良くも悪くも時代が変わったことを感じます。
タオル産業が盛んだった私たちの若い頃は、ひとつの工場に多くの若手が入ってきたので、自然と競争心が生まれやすかった。でも、IKEUCHI ORGANICのような小さな工場であれば、どういう風に接すると探究心や向上心が育まれるのか。
自分の頃とは時代も環境も違う。仕事を教える立場として、そのことを肝に銘じて、若い人たちに接していかないといけないと感じています。
まだまだ衰えない探究心
私個人の話をすると、もうすぐ70代に突入しますが、まだまだ働くつもりです。
今でも、織機を触っていると、新しい発見があります。調子が悪くなってきたと思って、いつもと同じように調整していても、思うようにいかないことがたくさんあるのです。その度に、どうしたものかと頭をひねっています。
その一方で、こうした予期せぬ事態に対して、面白さを感じる自分がいるのも事実です。
というのも、私は子どもの頃から、おもちゃの車のプラモデルをつくったり、改造したりして、機械や工具を使ったものづくりが好きでした。現在でも、休日には自宅の家具を自分で直したり、いちから作ったりしています。
だから、タオルの製造の仕事が自分の性に合っているんでしょうね。自分なりに工夫を凝らして、機械の調子が良くなったりすると、何とも言えない充実感があります。
年齢をだいぶ重ねてきましたが、タオルの製造についてもっと詳しくなりたいし、機械をもっとうまく扱えるようになりたい。そうした想いです。
タオル職人として、まだまだ伸び代があると感じています。職人と呼ばれて、堂々と胸を張れる存在になっていきたいです。
インタビュー2023年5月
取材・文/井手桂司
フォトグラファー/木村 雄司
IKEUCHI ORGANICの人
-
Vol.49
検品という重要かつ大変な職場だからこそ、明るく元気に。
検品現場では、人の手と目を通して細かく確認し、品質を厳しく管理しています。明るく元気な白石さんに検品の仕事についてお話を伺いました。
検品・出荷・在庫管理 白石
-
Vol.48
オンラインの出荷担当として、一つひとつを丁寧にやっていく
商品の出荷対応や問い合わせ窓口など、オンラインストアの裏側を支えるスタッフとして10年以上働いてきた中山さんにお話を伺いました。
WEB 検品・出荷 中山
-
Vol.47
生産部長として目指す、みんなが前を向いて働ける環境づくり
ものづくりの全てを担う生産部。次々に起こる現場の問題に対応し、生産部の皆から信頼され、慕われている渡邉部長にお話を伺いました。
生産部 部長 渡邉