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Vol.44

面倒なことにあえて挑戦し、一つひとつを丁寧に織っていく。

今治本社工場における製造ラインを安定させ、整経や製織などの製造に関わるスタッフみんなが動きやすいように、フォローしていく存在。それが製造課長をつとめる川本さんです。川本さんに「IKEUCHI ORGANICらしいものづくり」とは何かを語ってもらいました。

製造課長 川本

面倒なことにあえて挑戦し、一つひとつを丁寧に織っていく。

タオルづくりにおける製造課長の仕事とは?

今治本社工場にて、製造課長をつとめている川本です。

タオルのものづくりを大まかに言うと、タオルの設計図に基づいて、使用する糸の種類や量を計算するところからはじまります。

そして、糸を数百あるクリールと呼ばれる機械にセットし、「伸べ(のべ)」と呼ばれる巨大な糸巻きに3000〜5000本ずつ巻いていきます。その伸べをクレーンで織機(しょっき)に移動させたのち、職人が織機を操作しながらタオルを織っていきます。

この整経(せいけい)と製織(せいしょく)と呼ばれる工程の監督者として、それぞれのメンバーたちと連携しながら、品質の向上を目指していくこと。機械のトラブルなど、予期せぬトラブルが発生した際には迅速に対応し、生産ラインを安定させること。これらが製造課長の主な仕事になります。

また、整経で作成した糸を織機に取り付けるためには、糸をつなぐ作業が必要で、この作業を「タイイング」と言います。言わば、整経と製織のつなぎみたいな作業ですが、このタイイングも担当しています。

整糸や製織で働くみんながやりやすいように、色々と段取りを考えて、事前に準備をして、フォローをしていく。自分の仕事を簡単に説明すると、そんなところでしょうか。

そんな私ですが、もともとは工場で使用している機械をメンテナンスする保全工として、IKEUCHI ORGANIC(当時は池内タオル)に2009年に入社しました。

もともと機械を触るのが好きで、以前は愛媛県外の機械系のメーカーなどに勤めていました。愛媛へのUターン転職を決めたとき、IKEUCHI ORGANICが保全工を募集しているのを見て、それまでの仕事の経験を活かせると思って応募しました。

それから14年経ったわけですが、だんだんと色々な仕事を任されるようになり、気づくと現在のポジションについていました。

製織風景

面倒なことにあえて挑戦する価値

この会社で働きはじめた当初、「機械を使う仕事といっても、糸を扱うのはまた別」と当時の工場長に言われたことを覚えています。

実際に糸の扱いは難しく、伸べの巻き方や、温度や湿度によって糸の状態は変わります。そのため、昨日までは順調に織れていたのに、急に織れなくなってしまうことがよく起こります。その度に、阿部さんと相談しながら、どこから手をつけていくかを考えていきます。

簡単に解決できればいいんですが、一筋縄ではいかないことが多く、「押してもダメ、引いてもダメ」みたいな状態になることばかりです。とにかく忍耐強く、あれこれやっていく。そんな風に糸や織機と格闘する毎日です。

また、IKEUCHI ORGANICでは、様々な品番のオーガニックコットンを使ったタオルづくりをしているわけですが、それぞれに違った難しさがあります。

細い糸を使ったタオルには、細い糸なりの難しさが。太い糸には、太い糸なりの難しさがあります。途中で何回も糸が切れてしまったり、テンションがうまく維持できなかったり。どのタオルとは言いませんが、「よく商品化まで辿り着いたな」と思ってしまうものが幾つもあります。

でも、そうした大変な道を通ったからこそ、他にはないものづくりができていると自信をもつことができます。実際、手のかかる商品ほど「かわいい」と思える自分がいます。

面倒なことにあえて挑戦して、手間をかけながら、一つひとつを丁寧に織っていく。それが「IKEUCHI ORGANICらしいものづくり」なのかなと思います。
製織風景

応援してくれる方々の熱量が力になる

IKEUCHI ORGANICで働きはじめて感じるのは、お客さまとの距離の近さです。

例えば、今治オープンハウスでお客さまが工場見学に訪れた際に、工場内のガイド役をつとめさせてもらいました。他にも、『タンザニアオンラインツアー』に出演し、コットンヌーボーの製造状況についてオンライン越しに紹介させてもらったりもしました。

これまでの会社では、こんな風にお客さまと直に触れ合う機会はありませんでしたので、どの経験も貴重で新鮮です。慣れないことをしているなと思いながらも、楽しくやらせてもらっています。

やはり、自分たちの商品を愛用してくださるお客さまの熱を感じることができると、ものづくりのモチベーションになります。

IKEUCHI ORGANICの商品はどれもシンプルなデザインなので、商品の良さが伝わりづらいかもしれません。ただ、私たちとしては、そうしたシンプルなデザインのなかに、どれだけいいものを織りこんでいくかを一生懸命にやっています。

そうしたパッと見ただけでは価値がわかりにくい商品に対して、これだけの熱量をもってくださるお客さまがいることは、本当にありがたく感じています。

私たちを応援してくださるお客さまの期待に応えるためにも、IKEUCHI ORGANICらしいものづくりを、これからも続けていきます。

製造課長川本

インタビュー2023年6月
取材・文/井手桂司
フォトグラファー/木村 雄司

製造課長 川本

オススメのタオル:オーガニック120バスタオル

製造課長 川本

イケウチの原点。お試しあれ。

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