スイスREMEI社から学ぶ、ソーシャルビジネスの課題と希望 #1
REMEI社CEOヘルムート氏 プレゼンテーション

2017.04.07

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2017年3月24日開催
スイスREMEI社から学ぶ、ソーシャルビジネスの課題と希望 より

スピーカー:REMEI.AG CEO Mr.Helmut Halker
(以下本文は、同時通訳による日本語の書き起こし)

REMEIとbioReの成り立ち

ヘルムート:皆さんのようにオーガニックコットンとか持続可能なビジネスに興味ある、こんなにたくさんの方々に来ていただけきお話できること、すごく嬉しく思います。

池内さん、このご招待ありがとうございます。

ここにあります通り、ファッションを追求するとき、そこに責任が伴うということをお話させていただきます。

ここにご紹介したいのが、REMEIとbioReコットンの創始者であるパトリック氏です。彼のやる気、モチベーションはどこにあったかというと、農家の人たちを支援すること、そして公平なパートナーとの関係を創ることをモチベーションを持っていました。彼はテキスタイルのエンジニアでもありましたので、そこから何かクリエイティブなものを作りだすということにも念頭を置いていました。

彼がどのような形で会社を立ち上げ、大きくしてきたのかを話しますが、彼本人が私に何度も言ってくれたのですが、彼自身の仕事、人生はこのような形で綱渡りをしている人間のようだった。つまり、消費者のニーズそして供給側のニーズのバランスをとることを何度も考えていた、と言っています。ときどき生産量があがったり下がったり、それをどう対応していくのか。そして経済的な目標と同時に社会的な目標をどのように達成していくのか。という間でバランスをとっていました。

1983年にこの会社ははじまりましたが、慣行農業、従来型の農法によって、綿を作る農場のトレーダーとして始まりました。1991年にはインドで、1994年にタンザニアで、それぞれオーガニックコットンの事業をはじめました。そして1997年にスイスのコープという所と協力の上で財団を作りました。 ですので、スイスコープは単にお客様ではなくパートナーとなったわけです。

2005年、インドとタンザニアでトレーニングセンターがオープンしました。2008年にはREMEIが決意したことは、将来のことを考えたときに、オーガニックコットンだけを作って行こうと。今までの従来での農法で作ることをやめようと決意しました。

bioReの財団とREMEIの違いをお話します。bioRe財団はインドとタンザニアで行われるプロジェクトの運営をしております。そしてオーガニックコットンを生産することに責任を持っています。そして、REMEIが作ったオーガニックコットンを買うんですが、買取保証をして、農家の人たちに保証してあげます。そしてマーケットプライス(市場で決まる価格)に15%割増にした価格でオーガニックコットンを買います。

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REMEIが考える持続可能な供給サイクルと他団体との違い

REMEIはすべてのサプライチェーン(資材調達から消費者に届くまでの全行程)を管理し、運営をしています。とにかく人々が手を取るような形で一緒に協力して仕事をしています。ですので、人々はひとつのコミュニティの中で一緒に仕事をしているという感覚が強くあります。たとえその人がインドにいようがタンザニアにいようが、スイスにいようが私たちはそのような感覚があります。

私たちREMEIが大切にしている事が5つあります。

・透明性をもつこと、
・カーボンニュートラルであること、
・環境に良いこと。
・オーガニックであること。
・フェアトレードの上で取引をされていること

これがサプライチェーンすべての段階において守られることだと思います。

この5つを守ることが、持続可能な供給のサイクルを守るための包括的なアプローチだと考えています。例えば、これを他の団体とくらべて見ると、フェアウェアファンデーション(Fair Wear Foundation)。これは名前の通り、フェアではありますが、オーガニックではないので環境に優しくはない。同じように、フォックス(FoxFibre)は環境に良いだけである。マイクライメイトはカーボンニュートラルは守っている。GOTSはわりといいところまできておりまして、オーガニックであり環境に優しく、透明性は高い。けれども、一番最初にあります農家の意見であったり、農家の参画についてはまだまだ満たされていない。

というわけでbioReが包括的なアプローチを持っているのが、他の団体とは決定的に違うところです。どう違うかというと、私たちはGMO(遺伝子組み換え作物)ではない作物を作っています。それをするために研究所を作っていて、私たちはタネを作るところまでやっております。

ですので、殺虫剤のようなものは使いませんし、人工的な肥料も使いません。そしてGMOのタネも使いません。そして、定期的に輪作を行っています。5千もの農家が買取保証を利用していて、15%上乗せの価格で買取をしています。そしてインドとタンザニアにおいて、認証がされて管理された衣類の工場が41あります。

そしてSA8000という認証に基いてこれらのことを守った工場を運営しています。これらというのは、児童労働なし、適正な給料を払われる。そして通常のワーキングアワー内で仕事をする。そして全てのことがエコであることを大事におもっています。

科学的なものを使って染色をしたり、印刷をすることはしませんし、肌にいいものを作っています。そうすることによって着るものだけでなく、作る側の健康も守っています。

そして使った水を管理して捨てていくことにも気をつけていますし、カーボンニュートラル(生産により排出される二酸化炭素量の中立を保つ)をするために、植えることところ、縫うところ、移動するところも含めてカーボンニュートラルにしています。

そして透明性ですが、消費者の方が買ったものには必ずラベルがついていて、番号がついています。この番号をインターネットで入力すると、製品になるまでに、誰がタネを植えて作って育てて、どの工場で作られたのかが全部わかります。ですので、どの個人、会社、どの団体が製品を作るまでに関与してきたかがわかるのです。

世界的な繊維の生産量を見てきますと、全てのオーガニックコットンの生産量の平均値は10万トンくらいあります。その中でGMOではない、REMRIが作っているものは4万トンです。

(資料スライドを指し)一番右にある、bioReが作っている生産量はGMOではないオーガニックコットンの8%くらいを占めています。

こういった意図で作ったものをどのように売っているかの一例としましては、すでにあるプライベートレーベル、ブランドがあります。このブランドは個人個人のニーズに合わせて製品を作っていきますけど、そういうところに製品を卸していきます。

そしてスイスCOOPははじめのところから協力関係がありますが20年以上の関係を築いています。bioReの財団を一緒に作りましたが、今では毎年1200トンを作っています。

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REMEIとIKEUCHI ORGANICの関係

そしてふたつめの方法としては、私たちが作ったオーガニックコットンの糸そのものを、様々な会社に卸しています。その例が、パノコさん(パノコトレーディング)でありIKEUCHI ORGANICであります。糸を卸すときの私たちの大切なポイントは、それがオーガニックコットンであること、そして公正な生産方法をたどってきたということ、オリジンとありますが、元々の起源になりうる農家の方が参画した上で糸を作っていること、これがポイントです。

そしてそれをパノコやイケウチに卸していますが、それぞれのクライアンとの基準がありますので、それにのせるようにしています。その中で出来る限り透明性を持って誰が作ったのかを証明していただきたいですし、現地のプロダクションラインにのせていくことも推奨しています。

例えば、パノコさんですがタンザニアで作ったオーガニックコットンを仕入れてもらっています。イケウチさんにも20年以上のパートナーシップを組んで、それこそ持続可能なパートナーシップを組んでいただいています。

(プレゼン時間があと5分と知らされ、OH…とヘルムート氏思わずため息)

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▲SDGs17の目標 (国際連合広報センターより http://www.unic.or.jp/)

国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)に対するアプローチ

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、国連が提唱している持続可能のための開発目標が17個(SDGs)あります。この様々なフィールドにおいて、REMEIとbioReの関係の中でも様々な目標を達成しようとしています。

この6番の目標が水と衛生へのアクセスですが、それに応える形で77の井戸、26の水のタンク、3万4千のタンザニアのヒトがきれいになった飲み水によって利益を得ています。

そして3番の目標が人々の健康的な生活を確保するというものですが、それにあわせて100のトイレをつくりました。そしてバスのような形で健康チェックできる体制を作りました。7.3万人がここで治療を受けることができました。 

7番は持続可能かつ近代的なエネルギーという目標ですが、3000ものバイオガスの工場がインドとタンザニアで、できました。

4番は質の高い教育を、という目標すがそれに合わせるような形でアニメーションスクールというのを作りまして質の高い教育を提供しています。農家の方々に向けたトレーニングも提供しています。

8番のゴールは持続可能な経済成長というゴールですが、それに見合わせた形で6000もの農家の方が買取保証や先程お話した15%プラスした価格で買うというところで利益を得ています。

1の目標があらゆる形態の貧困に終止符を打つことですが、それに合わせる形で女性グループを作り、仕事が発生する変わりに給料が発生する仕組みを作っています。

最後、12番目の目標が持続可能な消費と生産のパターンを作ることですが、それにあわせて先程も申し上げた5つの大切なポイント(オーガニック、フェアー、環境、透明性等)を守ることにより、12番のゴールを守っています。

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サスティナビリティはただのラベルではなく
企業、人のあり方、生き方そのもの

この場をお借りしましてIKEUCHI ORGANICがやっていただいたことを紹介し、感謝を述べたいと思いますが、こういう流れの中でインドの学校を作るときに資金を調達してくれました。そしてそれ以外の社会的なプロジェクトへのご協力をいただいています。これは感謝を心からするとともに、私たちの大変強い絆を示していると思います。

最後に皆様にメッセージとしてお伝えしたいことがあります。洋服にはラベルがついていますが、ラベルのうしろにはどんな背景があるのか、という所まで想像してみてください。そして、お伝えしたいことがサスティナビリティ(持続可能性)はただのラベルではなく企業、人のあり方、生き方そのものであるということを伝えたいと思います。

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