ほぼ全種類使ってはいるけど、やっぱり厚みが少しある方が好きなのでこれが好きです。
Vol.13
糸と共に15年のあゆみ
IKEUCHI ORGANICで使う糸の手配を一手に担う芝田さん。糸加工の協力企業とのやり取りなども含め、タオルの原料となる糸関連のスペシャリストです。今回は、糸巻き作業の傍ら、インタビューに答えてもらいました。物静かな雰囲気、淡々とした口調から、長い社歴の中で起きたIKEUCHI ORGANICの出来事や、タオルのことについて語ってくれました。
製造課長 芝田

糸の面倒を見て再利用の準備
――今、何をしているところですか?
普段糸は1キロぐらいあるんやけど、使ったらこれぐらい(細くなったチーズ(※1)を見せながら)の大きさとか残るから全部使いきることはできなくて、余るやつが出てくるので、それをもう1回大きくしてまた再利用するところ。
――糸を繋いで巻き直すのは特に不具合は出ないのでしょうか?
まぁあんまりよくはないけど。繋ぎ目のところがどうしても、B品になってしまう可能性もある。そう言っても、タオル1枚の中に何十ヶ所も出てくる訳じゃないし。
――ひとつ巻くのにどれぐらい時間がかかるのですか?
(糸の)番手(※2)によって違うけど、オーガニック120(に使う糸)とかで1時間ぐらい。ワインダー(糸巻機)の速さにもよるけど。
ハンカチ工場時代からオリジナル中心へ
――芝田さんがIKEUCHI ORGANICに入社したのは何年前ですか?
14、5年前。
――入社してから、ずっと今のお仕事ですか?
元々営業企画課に配属されて、人(他の従業員)は変わったけど、やることはそんなに変わらない。
――仕事の内容を説明するとどんな内容ですか?
材料手配、糸の手配って言ったほうが早いかな。
――14、5年前からだと会社の変わっていく様子や、色々な面を見ていると思いますが?
まぁ変わったと言ったら変わった。入ったころはまだハンカチがメインで、人(従業員)の数は今と同じぐらいかもしれないけど、まだ2交代とかしていたときだから。
――当時の工場は昼夜フル稼働でしたか?
夜勤の人がいたぐらい(稼働していた)。織機(しょっき)も今とは違っていて、ハンカチの織機も5台とかあって。エイト(※3)を一昨年6台処分したけど、昔はエイトの方が数が多かった。民事再生(※4)したあと、体制が変わってオリジナル中心になって。
オーガニックコットン100%のタオルを作ると社長が宣言
――当時、会社が民事再生をすると聞いてどう思いました?
どう思う言うこともないけど、まだその頃はハンカチがない中どうするもんだろうと(民事再生前はハンカチの受注が70%を占めていた)。民事再生したころは残りの後始末みたいなことをしていたけど、段々オリジナルとの比率が変わってきて。社長が「今年からはオーガニックコットン100%のタオルを作るよ」と、話しがあったのは覚えてる。
コットンヌーボーは合格
――芝田さんが好きなIKEUCHI ORGANICのタオルは?
コットンヌーボー。まぁオーガニック316とかも使うけど、やっぱり厚みが少しある方が好き。お歳暮とかで会社から貰うから(※5)。ほぼ全部使ってはいるけど、一概にどれということもないけど。ただ、たまによそのを(他社のタオル)使ったら、うちのより良くないと思うことはある。それは間違いない。
――好きなタオルの基準は何かあるのでしょうか?
あんまり。変なタオルじゃなかったら。
――その”変な”という基準が、芝田さんは他の人よりすごく高い感じがします。
あるかも(笑)。コットンヌーボーは普通に使う分には合格やね。
インタビュー2016年1月
取材・文/牟田口、神尾
フォトグラファー/木村 雄司(木村写真事務所)
注釈
※1:芯となる木管に円筒形に糸を巻きつけたもの。その姿が食品のチーズと似ていることから由来
※2:糸の太さを表す単位。数字が大きくなるほど細い糸となる
※3:トヨタ自動車の源流である豊田自動織機製1970年代に登場した名織機
※4:2003年に当時売上の7割以上を依存していた取引先が突如倒産、負債額は10億にのぼり、民事再生を申請。OEM依存から自社ブランドでの再建の道を歩む。2007年に民事再生手続きを終了。
※5:年末に従業員向けに会社からタオルがお歳暮として支給されている
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