母として、職人として生きる

製織担当 近藤

製織(せいしょく)担当の近藤さん。担当の織機を持ち、実際にタオル生地を織る最前線の現場で働く機織り職人です。中堅職人として生産の現場で感じる責任感や、更なる技術向上のために自分で出来ることについて真摯に語ってくれた近藤さん。インタビューでは事前に用意したメモを見ながら丁寧に、ときにチャーミングに、受け答えしてくれました。母でもあり、女性職人でもある彼女の、ひたむきで前向きな姿を追いました。

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子どもがお風呂上りに、一番に使うタオル

――近藤さんは好きなタオルがオーガニック316ということですが、どんな点がお好きですか?

私もそうなのですが、子どもがお風呂上りに使うのが好きで。でも昨日すごいショックなことがあって。今日のために洗濯・乾燥して、ふんわり仕上げてたのに、そのまま置いていたら、子どもがお風呂上りに先に使ってて! あわてて乾かして。あー…ふんわりした感じが…。もうこんなはずじゃないのにーって(笑)。でもさっきカメラマンさんが撮ってくれた写真を見たら、すごくきれいに(タオルを)撮ってくれて。

――すごくいい写真ですよね。タオルもふんわりしてますね。

うれしいです。ありがとうございます。

あと、お話したいことあるのでいいですか?

――どうぞどうぞ

オーガニック316のボーダー幅が広がったままの、商品にならない織物をたくさん出したことがあって、すごいめげたことがあったんです。その時に今の主任が、「次に進歩していれば、失敗してもいい。同じ事を繰り返すなら誰でもできる」と言われて、ちょっとウルっときて。失敗してもええんかーと思いましたね。その代わり進歩しないといけないから、自分で毎日目標を決めてがんばっていかないと、と思いました。

だから、オーガニック316を見ると初心に帰るというか。失敗しても仕事を楽しめる様ポジティブにとらえて、「楽しい」の「楽」って「らく」って書くじゃないですか。「らく」になるように、前向きに考えられるようになりました。

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この会社があるなんて知らなかった(笑)

――IKEUCHI ORGANIC(旧池内タオル)のことは昔から知ってたんですか?

高校を卒業して、すぐ働きに出たのがこういう製織工場で機(はた)織りを3年してたんです。そのあと結婚して、派遣社員をしていました。次の仕事は正社員になろうと思って、ハローワークを通して池内タオルを知りました。そうしたら、意外と(自宅と会社の)距離が近くて。子どもの小学校の通り道だったんですけど、この会社があるなんて知らなかった(笑)。こんな場所にあるんやなぁってびっくりしました。

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家族あっての仕事、安心して働ける環境

――入社してから、印象に残っていることはありますか?

入ったころが一番忙しかったんです。朝は8時から、夜遅くまで働いてました。でも、うちの主人が遅くまで働いてええよって、許可してくれたんです。

――ご家族の理解があって、よかったですね。

うん、家族あっての仕事ですから。あ、ここはちょっと推したいポイントですね(笑)。
あとは2年前に池内タオルから、IKEUCHI ORGANICに社名変更して、激動したところを見れたのはちょっとうれしかったですね。

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毎日のように、織機が止まる

――近藤さんの仕事内容についてお聞かせ下さい

製織と、織機(しょっき)の糸切れに対して糸をつなぐ仕事をしています。作業は、工程表に沿って行うのですが、機械が停止する回数が多くなると、織物が商品にならないと思っているので、停止回数を少なくできるように間違い探しというか、不具合を探していきます。

――不具合が起きると織機が止まるのですか?

そうですね、ちょっとしたことで止まることが多いです。今、持ち機(はた)4台の内ふたつの織機を見ているんですけど、1台の織機は全然止まらなくて。その反面、もうひとつの織機は、今日は止まっては直しての繰り返しで。今日1日これぐらいしか動いてないけど、なんでやろうと。

――日によって動きは違うのですか?

その日その日で体調が違うというか、寒いと織りにくいとかはあります。織機が特殊なのでコンディションを見て理解するのが難しい。さっきも織機が止まってしまって、(織機の)レバーをひねって対応したのですが、ひねり方が甘かったみたいで。後でわかったのですが、ゆっくり(レバーを動かして)と言われたから、ゆっくり同じように操作したつもりでも私の感覚とは異なっていました。日々勉強です。

――目標とする稼働率はありますか?

大体1日これぐらい織れるという目標数値があるので、それを上回るときがすごくうれしくて。でも古い織機のわりにはがんばっているんですよ。

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タオル職人として技能検定への挑戦

――今後、挑戦したいことはありますか?

2年以内に四国タオル工業組合の技能検定(注:四国タオル工業組合社内技能検定)、この資格をとりたいです。タオル製造の現場で4年ぐらい経験がないと受験資格がないんです(注:タオル製造2級は実務経験2年で受験可能)。もうひとつ上(タオル製造1級)は7年以上必要で、1回講習だけ聞きに行ったことがあって、次は実務の方も。実務検定に合格できたら、もうすこしプラスになることがあるんじゃないかなと思います。

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うちの社長はプラス発想の塊

――この職場で働いていて、誇りに思うことはありますか?

20代から付き合いのある私の恩師から、成功者になる3つの条件を教えてもらいました。明るいコト、素直でプラス発想が出来る、勉強好きの人って言われて。それをうちの社長に当てはめると、そのままだなと思って。もうプラス発想の塊じゃないですか(笑)。わぁ~こんなところに(恩師の教えてくれた成功者が)おるんやと思って。有言実行というか、3店舗(注:東京、京都、福岡の直営店)も一気に出店して、社内の体制もすごく考えていて。うちの主人も、いい会社で感謝していると言っていて、その点は声を大にして伝えたかったです。

だからこの会社の事をもっと多くの人に知ってもらって、IKEUCHI ORGANICの世界観に触れてもらって、心地よさを手に入れて欲しいと思いますね。

インタビュー2016年1月
取材・文/牟田口、神尾
フォトグラファー/木村 雄司(木村写真事務所)

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