オーガニックな会社を経営するヒト(前編)

阿部・池内

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半年に渡って、IKEUCHI ORGANIC従業員の声を紹介した当連載”イケウチのヒト”。連載企画のボーナストラックとして、社長阿部と代表池内に同席してもらいイケウチのヒト連載の感想などを語ってもらいました。社長阿部には社長就任で背負う、今後のIKEUCHI ORGANICの舵取りについて、そしてマネージメントから解放されものづくりに専念すると、なお意欲を見せる池内の声を、たっぷり前・中・後編の3回に分けてお届けしたいと思います。

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従業員のひとりひとりの個性を再確認

――まず最初に、イケウチのヒトの企画記事をご覧になった感想をお聞かせください

阿部:人の話を聞けていないのが一番の感想ですね。実際(みんなと話すとき)業務の表面的なことしか話していなくて、イケウチのヒトのインタビューで初めてその人の個性があらわになってきた部分があって、本来そういう部分って改めて言うまでもなく社員の間で共有できていれば、あの人はそういう考えでこういうバックボーンがあるんだよね。とか分かっていればもっとコミュニケーションの仕方も違ったのかなと思うので。だから自分がいかに表面的な話しか聞いていなかったかは実感しましたね。

――池内代表の方はどうですか?

池内:いや、こんな想いで作ってくれてたんだって(笑)。そんなこと元社長が言ったらいけないけど。だから逆に僕が(連載記事を)一番楽しんでいるかもしれない。よほど誤解を招く表現がない限りは載せているので。

――できるだけ生の声というか、私たちの企画意図としても社内の人も当然イケウチを愛するその前に、まず隣の人を愛しましょう、よく知りましょうよというのがあって。あとはファンの方たちが次何を知りたいの? といったときに、ウチの商品を作っている人たちの声にもっとフォーカスして世に出せないかな? という考えでこの企画が生まれて、やらせてもらいました。

社員全員のお話を聞かせてもらって、最後おふたりのご意見を聞いてシメたかったのですが、ここになって社長の交代がありまして(笑)、聞く内容も変わるかなと。

池内:(社長の交代原因は)イケウチのヒトを読んでてショックを受けて(笑)。

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流れに逆らわず次へと繋ぐ

――なぜ今、社長の権限を阿部さんに譲ろうと思ったのでしょうか?

池内:基本的には、元気なうちに譲ろうという思いはずっとあったんだけど、踏ん切りがつかないというかチャンスがなかなかなくて。まぁ療養中は阿部に社長代理をやってもらっていたんだけど、ある1社が、阿部なら会わないと言ってきたんですよ。基本やっぱり中小零細企業は常にトップが行かないと嫌と言われるのは当たり前なので、だったら仕事の最前線に出ている人を社長にしようと。

――阿部さんは実際に社長交代の話を聞いて、どう思われましたか? いつか来るというのはあったと思うんですけど。それが今2016年6月にきたのはどう思いますか?

阿部:僕の方は流れに逆らわない性格なので。ちょうど(代表が)ご病気になられた間にいろんなことがあって、対外的にもそうした方がいいのかなぁと。ただ、タイミングに関してはいつがベストというのは言えない状況ですよね。流れに逆らわないで次に繋げていくかしか考えていないですけどね。

――次の世代に渡していくきっかけがなかったということでしょうか?

池内:そうそう、非常にいいきっかけだったと思うね。(社長の座を)譲ります譲りますと口では以前から言ってたけど、ズルズルきてたから。

――そうですね、私(牟田口)が入社した日に言っていたので1年くらいはズルズルと(笑)。

――代表は今年あたまのご病気、長期休養経て、会社の考え方とか人生観など変わったということはありますか?

池内:人生観は同じ病気を2年前にやっていて、そのときに大きく変わっている。今回はわりと冷静に、いない間にどういう風に会社は動いていくのかなと見ていたので、いないから良かったこともあるだろうし、いないからマズかったこともあるだろうし。

――休養されていたときに会社が動いている姿を見て、どのように感じましたか?

池内:僕がいないままだと、会社は月末が一番大変なわけで、僕がいない3回はクリアしているわけだから、あぁ意外と最低数ヶ月持つ体力は(会社に)あるんだな、というのは思った。多分周りから見たら必要以上にワンマンに見られているので、そういう面では非常によかったかなと。

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ブランドが立っているから誰が引き継いでも大丈夫

――IKEUCHI ORGANICになる前に、池内代表がオーガニックな会社になると決めて行ってきたこと、風力発電を使うとか、オーガニックコットンを使う、フェアトレードで取引するなどをひとつずつやってきて、オーガニックな会社という理念に近づいてきていると思うのですが、阿部社長は次、どういう形でIKEUCHI ORGANICをよりオーガニックな会社にしていこうという実際のプラン、考えはありますか?

阿部:今そのすごいラッキーというか、ウチのブランディングがきちんとして、お客様に対して、CIの変更とかストアをオープンしたりとか、ブランド的な認知は終わった中での交代はすごくよかったと。

ブランディングとは考え方なので、IKT、池内タオルのままだと、池内計司がブランドだったわけです。それがIKEUCHI ORGANICに変わってアイコン(象徴)になりました。そこの代表が池内計司さんというのは切り離せないですけど、とりあえずブランドは立ちましたよね。そしたら、あのこの企業を運営する人は極端な話誰でもいい。ブランドが立ってるから。誰が引き継いでも大丈夫な状況だったので、すごくありがたかった。

僕が今度何をすべきかというのは、今の路線を変えないで次の人にどう引き継ぐかだと思うんですよ。変えないでというのはすごい簡単なようで難しいと思っていて、企業を運営する上で自分たちだけの力ではうまくいかない部分があるから、いろんな方の協力を仰ぎながら勧めていくわけですけど、その勧めていくスピード感が、エンドユーザーの方の視点と社内の方の視点と、お取引様の視点と、出資者の方の視点と違うんです。

その認識を束ねていかないと、正しい成長を人が描けないかなと思っています。絶対いびつになることは間違いないんだけど、それができれば収束していったほうが良いじゃないですか。そういう方向に調整していくのが仕事かなと思いますけどね。

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IKEUCHI ORGANICというブランドは人格を持っている

――池内代表は、阿部社長に今まで自分が作ってきた流れを踏襲してほしいという気持ちがあるかと思うのですが、踏襲するだけでなく、こういう新しいものを出してほしいという要望はありますか?

池内:僕は33年社長をして来て、IKEUCHI ORGANICの前身となるファクトリーブランドIKT/風で織るタオルができて17年目、ブランドは子どものつもりでいるので、この子がハイスクールに行くときに、ナガオカケンメイさんに僕の考えがもっと伝わるようにとCIをお願いして、もう高校3年生なので、大学と社会人は次の社長に任せようと。

子どもと思ってみてれば、次の4年間大学を卒業して社会人になるという風に成長するのは見ていけばいいだろうと。ただ、オーガニックなモノづくりをすることだけは忘れないでねとIKEUCHI ORGANICにしたのです。

――IKEUCHI ORGANICになって3年目で、無事ハイスクールを卒業したという感じでしょうか?

池内:いやまだ大学受験があるから(笑)。

阿部:大学受験しないかもしれない(笑)。

池内:やってて思うんだけど、このブランドは生きて人格を持ってる。何も僕の考えでここにきたのではなくて、お客さんがこっちに進むことを多分要求してきたこともあるので、このあと進め方も支えてくれているお客さんさえ見ていたら、多分間違えることはないと思っているので。ただ、違うところを見たら間違えるので。

中編につづく

インタビュー2016年6月
取材・文/牟田口・神尾
フォトグラファー/木村 雄司(木村写真事務所)

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