
製織担当 宗雪
機場最年少の宗雪さん。タオル製造が地場産業である今治で、生まれ育った二十歳の彼女が日々向き合う、タオル製織(せいしょく)の現場とは? 現場で実際に作業し、ひとつひとつ仕事を覚えていく彼女の奮闘っぷりをそのまま切り取った写真と、取材中に自ら多くは語らないシャイな性格ながら、仕事内容や今後の目標などの質問に対し語ってもらった言葉で、今回の「イケウチのヒト」を紡ぎました。
――入社して何年になりますか?
2年9か月です。
――IKEUCHI ORGANIC(当時は池内タオル)は何で知ったのですか?
もともと学校がものづくりを学ぶところ(工業高校の情報技術科)で、求人が出ていて知りました。
――職種は製織で募集が入ってたのですか?
いえ、そういうわけではなかったです。タオル屋さんで求人が入っていて、最初から機織り担当になりました。
――入社して一番最初に、何の仕事から教えてもらったんですか?
糸の通し方ですね。
――糸を通せるようになると次は?
糸の種類を覚えます。(糸は)全部真っ白なので最初は同じ様にしか見えなかったです。
――今は糸の違いがすぐにわかる感じですか?
まあ、そうですね(笑)触り心地でもわかります。
――扱いやすい糸とかはありますか?
撚(よ)っている糸(注:双糸、2本の糸を撚り合わせて1本にした糸)は切れにくくてやりやすいです。
――タオルを織る手順について、簡単に教えてください。伸べ(注:織機に糸をセットするために多数の糸を巻いた巨大な糸巻)が入ってから織機にどうやって?
前にかかっていた糸のあぜをとる。一針、二針分ける作業です。なんて説明したらいいんだろう…。新しい伸べをかけて、タイイングマシーンにかけてタイイング(注:今織機にかかっている経糸(たていと)と次に織る経糸を1本つづ結ぶ作業)をします。
――タイイングはできるんですか?
はい、教えてもらいました。
――タイイングはどれぐらいの時間で出来るのですか?
私はまだ慣れてないので2時間ぐらい。
――慣れてる人だとどれぐらいで出来るのですか?
ルーチ(注:織機名スイス製のSULZER RUTI)だと、1時間かかるか、かからないか。
――大体ひと通り出来るようになるまで、どれぐらいかかるのでしょうか?
5年ぐらいはかかると言われました。
――今後こうなりたいとか目標はありますか?
今は織機を回しているだけですけど、伸べを全部繋ぐところから、ひとりで最初から最後まで生産できるようになりたいです。
――そこまで早く出来るようにがんばりたいですね。
はい、そうですね。
――宗雪さんが好きなIKEUCHI OEGANICのタオルは?
初代ストレイツ(注:現在廃版、後継機種はストレイツ2)のタオルハンカチです。
――どんなところが好きですか?
模様が変わってるじゃないですか。ちょっと他にない感じで。
――どういうときに使ってますか?
外に持っていくとき。
――自分の織った商品をお店で見たいと思います?
はい、見たいです。
――タオルを織る職人さんが直営店で販売の研修とかあればいいですよね。では、仮に店頭での研修に行くとしたら、東京、京都、福岡の直営店どこに行ってみたいですか?
えー…迷いますね。
――遊びに行きたいでもいいですよ。
じゃ東京です(笑)。
インタビュー2016年1月
取材・文/牟田口、神尾
フォトグラファー/木村 雄司(木村写真事務所)
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瀬戸内海の波からデザインされた、他にちょっとない模様が気に入っています。